RYT200をオンラインで安くとろうとする場合、これだけは読んでおいてください
新型コロナウイルス感染症への対応として、全米ヨガアライアンスは2020年から2021年にかけて、特例としてオンラインでのRYT200の取得を認めています。ただし、この制度を用いてのRYT200の取得にはやや問題があると考えていますので、もしこの制度を使おうと思われている方は、このページの情報を読んで頂けると失敗がないかと思います。
私について
私は全米ヨガアライアンスE-RYT500のヨガインストラクターで、某地域でヨガを教えているKENTAROといいます。
今回の特例について、注意喚起が必要だと感じましたので、このフリーページを使ってお知らせしておきたいと思います。
アフィリエイトリンクなどは貼っていませんし、特定のスクールを否定したり、肯定したりする意図はございません。
なぜRYT200特例についての注意喚起を行おうと思ったか
実は、ヨガつながりでない神奈川県在住の知人がいまして、関西でオンラインを使ってRYT200をとったということをききました。オンラインなのに、関西まで行ったということと、そもそも実技が重要なRYT200をオンラインでとって大丈夫かということで、頭の中が???になりまして、検索などをつかっていろいろ調べてみました。結果としては、友人はよい選択をしていたことが分かったのですが、ヨガ指導経験がない方には落とし穴があると感じました。
今回の特例は、オンラインですべてを修了することを許していますので、スクールとしても会場の用意をする必要も無く、価格も安いところが多いようです。さらに、オンライン完結だと地方在住で近くにスクールがない人にとっては魅力的に映ってしまうと思います。
一応、E-RYT500の端くれとして、これからRYTになろうとされている方に、私見をきいて頂いておいた方が後悔がないかと思って、情報をシェアすることにしました。あくまでも、このページの内容はKENTAROの調べた範囲で感じたことであることは、あらかじめご了解ください。最終的な受講の判断はご自身でお願いいたします。
そもそもRYT200とは
RYT200(Registered Yoga Teacher 200)は全米ヨガアライアンスという機関が認める世界でも標準的なヨガインストラクター資格で、日本でも標準的な資格だと思います。ヨガインストラクターを目指す方はこの資格から取得するのが良いと思います。
オンラインでRYT200をとってよい人とは
私は、オンラインのみでRYT200を取得してよい方は、以下の2つのうちのどちらかではないかと思います。
・すでにヨガインストラクターとしての経験が1年以上あり、ヨガレッスンは可能だが、RYT200という資格が欲しい方
・ヨガを使った事業を計画しておられ、ご自身でヨガ指導を行うことはないが、資格は持っておきたい方
つまり、これまでヨガ指導の経験が無く、今後ヨガインストラクターとして活動したいと思われている方は、オンラインのみでRYT200をとることを、私は勧められません。
すでにヨガインストラクターの方
資格だけが欲しい方
なぜ、ヨガ指導未経験者はオンラインのみでRYT200をとってはいけないのか?
常識で考えれば当たり前のことなのですが、実技を伴う資格をオンラインのみでとることは無理があります。ただ、どちらのスクールも巧みな広告でいかにもオンラインだけでしっかりとRYT200になれるように錯覚させていますので、未経験の方はそんなものかと思ってしまっているかもしれません。具体的にどの部分に無理があるのかを以下に示していきます。
ヨガレッスン未経験の状態でRYT200になってしまう
通常、RYT200の講習では実践科目として、かなりの時間を模擬レッスンに使います。実際に受講生通しでレッスンを行い合い、感想や改善点を議論することで、技術の向上を行います。数名を相手にして、ヨガレッスンを行うにはそれなりに経験が必要なってきますので、この模擬レッスンがとても重要です。オンラインではZoomなどで代替するところが多いようですが、小さな画面上で得られる情報も少ないので、実際の模擬レッスンの代わりになるとは思えません。RYT200ではあるけど、実は人前で一度もレッスンをしたことがないっていうのは、かなりの問題だと思います。
アジャストの練習が出来ない
ヨガ指導未経験の方には聞き慣れない言葉かもしれませんが、ヨガ指導ではアジャストという行為がとても重要です。アジャストとは、生徒さんのポーズがずれているときに、最小限に手を添えることで、理想的な方向に近づけることです。オンラインでは、実際にアジャストを行うことが出来ないため、この非常に大切な技術を会得しないままRYT200になってしまう事になります。
呼吸の習得や指導が困難
呼吸はポーズと並んで、ヨガの重要な要素ですが、オンラインでは呼吸音などはフィルターでカットされますし、微妙な腹部・胸部の動きをつかむ事も難しいです。
ヨガインストラクターとしての人脈が作りにくい
ヨガインストラクター業界は、それほど大きな世界ではないので、結構人脈を通じた情報が重要になります。いろいろな事を相談したり、協力を仰ぐためにも人脈は重要です。多くのヨガインストラクターは、RYT200をとるときに、講師や他受講者と人脈を築くのですが、オンラインではどうしてもそのような事も難しくなると思います。
オンラインRYT200はすべて駄目なのか?
もちろん、すべてのオンラインRYT200コースが駄目ということではありません。私が言いたいのは、ヨガ指導未経験の方が、オンラインのみでRYT200になることに無理があるということなのです。例えば、冒頭の私の知人ですが、わざわざ関西まで行ったのは、オンラインと実習を併用しているスクールだったからのようです。座学や実技でも基礎的な事項であれば、オンラインを使うのも効率がよいと思いますので、上に述べたような問題が起きないような使い方なら、構わないと思います。
私の知人が行ったスクールは、所在地と内容などからこちらではないかと思いますが、KENTAROとしては内容は保証できないので、ご興味をお持ちの方は、ご自身で資料を取り寄せるなり、お話を聞いてみるなりなさってください。HPで見る限りは、この程度の実習をしていれば十分だと思いますし、知人はアットホームでいろいろ丁寧で良かったと話していました。
すでにオンラインのみでRYT200を取得したが、レッスンができる気がしない場合はどうしたらよいか
最も簡単な解決策は、どこか実技を対面で行っているスクールでRYT200を取り直すことです。RYT200のコースの受講回数には制限はありませんので、気を取り直して、スクール選びするのがよいかもしれません。私のヨガインストラクター仲間では、いろいろな先生から学びたいということで、RYT200を4回とったという強者もいます。
まとめ
新型コロナウイルス感染症への対応として、全米ヨガアライアンスは2021年までRYT200をオンラインでとることを認めていますが、ヨガ指導未経験の方は、模擬レッスン・アジャスト・呼吸・人脈形成の面で無理がありすぎるため、すべてをオンラインですませることをKENTAROとしてはお勧めしません。
時間的な手軽さや金額だけに飛びついてしまわず、実際にレッスンが出来るようになると感じられるコースを選ぶことが重要です。
オンライン自体が駄目なわけではなく、実習がないことが問題なので、併用型なら検討する価値があるかもしれません。地方の方にとっては、良い機会かもしれません。
オンラインのみで実習無くRYT200になったけれど、レッスンが出来る気がしない場合も、他のコースを受け直すことも出来ますので、絶望ということではありません。